シリーズ「経営品質あるある」第8回「みんな全力で頑張っているのに」

シリーズ「経営品質あるある」✏️

コラム「経営品質あるある」の第8回を掲載しました。今回のテーマは「みんな全力で頑張っているのに」です。チームの生産性を高めようとする時、各自が脇目も振らず全力で頑張るだけでなく、ちょっと立ち止まって周りを見渡すことの重要性を書いています。

特に皆さんで読んで意見交換して頂ければと思います。

第8回「みんな全力で頑張っているのに」

仕事にやりがいを感じるほど、人は自分の持ち場で「もっと良くしたい」「もっと貢献したい」と全力を尽くすようになります。これは組織にとって、とても素晴らしい状態です。今回の漫画に登場する作業者たちも、誰一人サボっておらず、それぞれが自分なりに精一杯頑張っています。

しかし、時としてその個人の部分最適が、チームや組織全体の全体最適につながらず、逆に問題を生み出してしまうことがあります。

エリヤフ・ゴールドラットのTOC(制約理論)では、「システム全体の成果は、最も弱い制約(ボトルネック)によって決まる」と考えます。前工程がどれだけ頑張っても、制約となる工程を無視して改善を進めれば、在庫の山や手戻りといった歪みが生まれてしまいます。

この現象は、工場のベルトコンベアだけに限りません。

たとえば、営業が受注を増やしすぎて製造や物流が追いつかないケース。

事務部門が効率化のために手続きを簡略化した結果、現場や顧客がかえって混乱するケース。

あるいは、一部の社員が成果を上げるために無理を重ね、チーム全体の負荷や疲弊が高まってしまうケースもあります。

大切なのは、「誰が悪いか」を探すことではなく、全体の流れの中で、どこが制約になっているのかを見極めることです。そして、その制約に合わせて全体を調整し、チームとして成果を最大化する視点を持つことです。

個々の頑張りを活かすためにも、部分ではなく全体を見る。

それが、経営品質を高め、持続的に成果を出し続ける組織への第一歩なのだと思います。

(運営委員/マネジメント・ラボ 高橋良和)